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この時代に出版社で働く者の日記

死ぬ練習二日目

大切なものを三つ紙に書いて捨てる。

 

「プリントオンデマンドのアカウント」

Kindleのアカウント」

Amazonマーケットプレイスアカウント」

 

どれも一分で捨てられた。

死ぬ練習は順調。

 

しかし上記三点が挙げられること自体が悲しい。どれも在庫がない版元故の苦肉の策だったからだ。

 

もう紙の本には力を入れません、取次との付き合いをやめますと会社に言われ、どれもこれも苦し紛れに探してきたものである。新刊出さない、重版も縮小とは、思うにあの時点で既に出版社ではなかった。

 

ただ、オンデマンド、Kindleさえあれば、重版コストがなくとも在庫が尽きようとも必要としている人にコンテンツを届けることができる。

 

そして現に私はこれらで家族を養って来ることが出来た。まだオンデマンド化、Kindle化されていないタイトルも数多くあるものの、あとはこれからの人たちにお任せするしかない。